創業70年 三代続く匠のものづくり「株式会社東洋アルミ鋳造所」吉田 尚佑竝(しょうへい)さん(北区)
2018.04.23
19歳で3代目を引き継いで
株式会社東洋アルミ鋳造所は吉田尚佑竝(しょうへい)さんの祖父が1949年に創業し、父が2代目を引き継いだが急に亡くなったため、2002年に吉田さんは19歳で3代目を引き継ぎました。
祖父の時代から東洋アルミ鋳造所は「品質がいい」「東洋で修行した職人なら安心」といわれ、高い技術力と品質には定評がありました。3代目の吉田さんはお母さんと一緒に伝統の技術を引き継ぐために努力してきました。
現在主力製品の道路の明示板(厚み5mm以下)づくり作業を見せていただきましたが、木わくに土を入れ金型で下の型をとり、次に上の型をとります。鋳型で中子を入れて振動をかけ固める作業はたくさん見ましたが、軽やかに土を入れた型どりでの仕上がりは大変きれいで、3代続く優れた技術が継承されています。
鋳造されたアルミ鋳造はのこ盤で製品の形状に合わせて切断し、ボール盤で穴あけやねじ加工、切断部等の研磨、色付けと製品の完成まで一貫して作業しています。お母さんは全行程をサポートし、忙しい時には奥さんも色付け作業を手伝っています。
同業・異業種問わず交流ひろげ
事務所には、祖父が作った草模様に囲まれた豪華な鏡が飾ってありました。他社ではできないものがつくれる匠の技術があります。
吉田さんに、先ほどの道路の明示板が薄くて四角形状なのに、しわ・す(気泡)がなく、隅まできれいにできるのかと聞くと、「土の水分(湿度)とアルミ溶解の温度を製品の厚み・形状・大きさに合わせている」「道路の明示板は強度が必要なので粘りのある材料を使っている」と答えてくれました。
アルミには軽く・強度があり、加工や表面処理、リサイクルがしやすいなどの特徴があります。また鋳造は多品種少量生産にも適しています。試作や1個2個から対応できます。それらの特徴と強み、高い技術力と品質を活かして、いろんな分野に仕事を広げたい、そのためにも同業や異業種の方、デザイナーとのネットワークを広げたいとの思いを語っておられます。