ふれあい通じ子どもを笑顔に「株式会社 大阪生物教材センター」東 四郎さん(美原狭山)
2018.06.04
日本特有の移動動物園
海外では、子供たちが教師に引率されて動物を飼育する施設を訪ねる「訪問型」が一般的ですが、日本では、明治時代末期に動物の飼育教育が導入され、日本特有の文化として、教育現場で実際に動物が飼育されてきました。学校における望ましい動物飼育ではハムスター、犬や猫などに触れて育ってきた子どもには、「生きる力」がついてくると言われています。
しかし、文部科学省が実施した、2002年から2010年のゆとり教育の終焉、機械警備の導入等によって、学校での生き物の飼育が難しくなってきました。そこで、所有する動物を依頼された施設に直接移送して展示する移動動物園の需要が徐々に増えてきました。
主な顧客対象は、主に幼稚園、保育所、小学校のような教育機関や公共施設、地方自治体など、商業施設からのイベント企画も定番メニューになっています。株式会社大阪生物教材センター移動動物園で展示される動物はアヒル・カモ・ニワトリ、ウサギのような小動物やヤギ、ヒツジ、馬(ミニホース)・ミニロバなど身近な動物が多く、ラクダやリャマなどといった大型動物も所有しています。
やりがいは豊かな心を育てること
子どもたちはいま、テレビや図鑑でしか動物を見ることができません。私たちの生活にとって大切なかかわりあいの深い動物―昔から人々が家族のように一緒にくらし、共に生活した動物達―さえ身近に見ることができなくなりました。
そんな子どもたちに動物にふれることのすばらしさをできるだけ数多く経験させてあげる機会をつくることを通じて、動物と友達になってもらい、生きているものに対するいたわりの心を育て、豊かな心をやしなってもらいたいといった願いを託して、今年で35年になります。