豊かな心を育み音楽の輪をひろげる「弦楽器クレール」柴田 二郎さん・まゆみさん(池田)
2018.09.07
楽器店から独立し夫婦で開業
弦楽器クレールは、大手楽器店で弦楽器販売を専門に担当していた二郎さんと音楽大学を出てプロになられた奥さんのまゆみさんが、1992年に開業しました。
ヴァイオリンを中心に弦楽器の販売・修理・調整を行い、ヴァイオリン教室はまゆみさんとフランス・パリ市国立音楽院にてディプロマを取得された娘の由貴さんが講師として、家族3人で営んでいます。
屋号の“クレール”がフランス語で「明るい・澄んだ・透明」とあるように、提供するヴァイオリンを中心に弦楽器は、長年の経験による目利きで、確かなものを適切な価格で販売し、弾く方に寄り添って年齢と共に奏でる音色の変わる一生楽しめるヴァイオリンを中心に販売・修理・調整をしています。
ヴァイオリン教室は、プロをめざす子どものサポートなど成長に合わせた教室を行っています。また、人生を楽しむために趣味としてヴァイオリンを習う年配の方など、その方の目的に寄り添った指導を行っています。
適切な価格と指導で魅力をひろげ
開業当時は、バブル経済の最後の時で、景気もよく、ヴァイオリンの販売と教室は忙しく好調でしたが、2000年代に入り、非正規雇用者の増加など家庭の収入減の中で、ヴァイオリン教室に子どもを通わせる家庭が減少してきました。また、卸売屋の小売やネット販売などが増え販売も減少してきました。
柴田さんは直接楽器の状態を確認して仕入れ、確かなものを適切な価格で販売することにこだわり、直接対面してその方に合ったものを提供しています。
フランスでは、豊かな文化・芸術を求めて国や自治体の補助制度などで、安い価格で音楽や芸術を観賞できます。日本では逆に予算は削減され高価格になり、一層観賞しにくいものになっています。
また、まゆみさんがプロになった頃は、演奏に行くと交通費や演奏料がもらえて励みになり頑張れましたが、現在は無料が多く、プロをめざす方にはきびしい現実があります。このままでは、文化・芸術家は少なくなり、社会から心の豊かさが失われていくのではと心配しています。
こんな時代だからこそ、プロをめざす方と保護者が親子で楽しめ、高齢者は趣味として音楽を一生楽しむことができる楽器と教室をと提供しています。音楽を通じて心を豊かに、明るくすることを求めて頑張っています。