地域密着の原点に立ち経営発展「有限会社 影安建設」影安 利幸さん(八尾)
2019.01.08
地元にこだわり災害で迅速な対応
影安さんは八尾・東大阪を中心に会社の営繕工事や改造工事、マンションのリフォーム管理、介護施設や機械メーカーの機械設置の許認可の相談や施設工事の仕事を行っています。
北部地震はこの地域には影響がなかったのですが、9月4日の台風は大きな影響がありました。取引先の会社から電話があり、シャッターが壊れたり、破損して散乱したゴミが近所に迷惑をかけているとのことで当日の夕方から掃除を行うなど対応しました。
シャッターはその日に発注、またその後他の取引先もまわりシャッターなどを確認し壊れている場合はすぐに連絡をとり発注をしました。翌日に注文した場合は入荷まで1ヵ月程かかったそうですが、当日注文だったので一週間で材料が入荷、修理することができ喜ばれました。
台風の被害では全体で70社の修理をしましたが、被害の状況に合わせて優先順位を決めて対応しました。
迅速な対応ができたのは、地元密着で即時に行ける範囲の取引先、職人さんに仕事の分野を広げて多様性を持った仕事に対応してもらうようにしていること、小規模企業の迅速・小回りがきくメリットをフル活用したことなどです。
失敗を経験し新しいことに挑戦
ゼネコンを退職し、2003年に父の工務店を引き継いだ後、2004年からは景気がよくなって仕事が増えました。2005年に法人して社長になりました。その後売り上げは毎年倍々に増え、銀行からは、「大社長」とほめられていい気分になっていました。
しかし、リーマンショック後から売上が大幅に減少し会社は赤字になりました。さらに2011年税務調査になり多額の税金を払うことになりました。仕事をして売上が振り込まれると税務署に差し押さえられ、外注先や職人への支払いができませんでした。それが2年間続くと、外注先も離れていくなど、倒産の危機になりました。
2012年に商店街のアーケードの仕事が入りましたが補助金申請が必要でした。そこで猛勉強をして申請に協力、無事に認定後に工事をすることができました。その後、2014年からは機械メーカーと一緒に許認可申請の必要な仕事を手掛け、介護施設・薬局・クリニックなど許認可申請がある複雑なこともお手伝いしています。
今後は、息子が「3代目を引き継ぐ」と大学の建設科に通い、休みは手伝いに来てくれています。卒業後は1~2年他社で経験を積んでから事業承継をめざしてほしいと考えています。
今後の厳しい経営環境に対応する新たな分野も開拓しながら経営発展をめざしていきたいと語ります。