地域に愛され3代続く和菓子屋さん「梅月堂」上本 浩史さん(住之江)
2017.08.30
梅月堂の味を引き継ぐつぐ3代目
梅月堂の上本浩史さんは、お爺さんが大正時代に個店で開業し、その後お父さんが小売市場で開業。浩史さんが1987(昭和62)年に引き継ぎました。
小売市場の立ち退きで、4年前から現在の加賀屋一番街商店街で営業しています。個店~小売市場~商店街とお店は変わりましたが、梅月堂ののれんと伝統の味は守って営業しています。また、現在は、加賀屋一番街商店街の会長として活躍しています。
上本浩史さんは、生菓子のお店を引き継ぐために、中小の生菓子の製造販売のお店で5年半修行に行きました。「あんづくり」を覚えるには5年は必要だったことと、中小のお店の方がすべての生菓子づくりが覚えられるとのすすめがあったからです。
しかし、お店は、小売業界の業態変化で、小売市場の衰退もあり、2世帯分の売上は見込めず、運送屋でアルバイトをしながら、伝統の味を守るために頑張ってきました。
すべてのお菓子に丹精を込めて
生菓子づくりへのこだわりは、すべて手づくりで、梅月堂の味を守っています。「上用」・「上生菓子」・「浅生菓子」・「もち」・「赤飯」と、季節で変わりますが、常時20種類、年間を通じると70種類以上を手づくりで製造販売しています。
お客さんから美味しいと評判の赤飯は、いい味に仕上がる北海道産の小豆を使っています。餅は、こしをだすために1年の古米を使用し、餅の味を壊さないようにつきあげています。よもぎは、秋から春に自分でとってきたものを使って、よもぎ餅を仕上げています。わらび餅もこしのある美味しいものに仕上げています。
売上は外販、店売で半々で夏場は7割、3割です。冠婚葬祭、お彼岸やお盆などの仏事、お茶会、仕出し屋など、伝統的な生菓子の味が求められるところからの売上が多くを占めています。梅月堂の味へのこだわりの信用が、地域の生活・歴史・文化とつながり、安定した売上に繋がっています。
しかし、若い世代の仏事ばなれや洋菓子など食文化の変化の中で、売上は減少傾向にあり課題も抱えています。
加賀屋一番街商店街の会長として、隣の3つの商店街と合同で8月の夜店や10月のハロウィーンのとりくみなどにも活発に活動しておられます。