カジノ万博会場 災害起これば避難不可能
2024.01.26
2023年12月26日、「2025年日本国際博覧会協会」が、万博会場の「防災基本計画」(初版)を発表しました。これは2021年から、内閣官房、経済産業省、大阪府・市の危機管理室、陸上自衛隊、海上保安庁、大阪府警や気象庁などの防災の専門家が集められ、作成されたものです。防災基本計画の目的では、「本計画は、博覧会の開幕期間中に発生する災害から、…来場者等…の安全を確保するとともに、来場者が安心して訪れることができる博覧会を実現するために作成する」と書かれています。そして起こりうる災害として、地震・津波、風水害、落雷、猛暑、火災、その他の災害と細かに分類して、それへの対処が書かれているのですが、「災害後起これば避難不可能」なことが読み取れます。
防災基本計画では、「夢洲周囲や橋梁、トンネル付近に瓦礫等が漂着することが予想される。此花区の大部分は海抜よりも地盤高さが低いため、広範囲に浸水し、かつ数日間水が引かないことが想定されている」とあります。仮に夢洲から何らかの交通手段で脱出できたとしても、その先の此花区は何日も浸水しているため、逃げ場がありません。
このことからか、防災基本計画には、なんと避難計画が全く書かれていません。「後で書き足す」とのことですが、各分野の災害の専門家が集まって議論し、種々の起こりうる災害を想定し、どのようになるかの予測まで行っているのに、肝心の避難計画が全く書くことができなかったようです。
南海トラフ地震はいつ来るかわかりません。工事期間中に起こるかもしれず、その時は工事で働いている労働者や下請け業者の安全は全く守られません。また、小中学校に遠足に行くよう求められているようですが、現場の教職員のみなさんが遠足の行先を決めるにあたって、最も重要なことは「安全面」です。
災害起これば避難が無理なら、もう万博は中止する以外ありません。