2019.12.26
大阪府との懇談・意見交換会を開催しました(11月、大商連会館にて)。
はじめに、府から「大阪産業局」について説明がありました。大阪産業局は今年4月に発足し、「中小企業支援に係る施策・事業の執行機関」との位置付けです。さらに府・市の中小支援策の一部を産業局にうつし、予算を「交付金」として渡す計画。
「副首都にふさわしい産業支援を」「東京や京都などとの都市間競争に勝つ」という勇ましい掛け声で、①国際ビジネス、②創業・ベンチャー、③事業承継の3分野を重点支援する方針です。
●大阪府・市の予算 たった0.23%!
しかし、副首都推進本部の議事録をみると、「儲かる企業」への支援しか頭にないことが分かります。利益を上げることは大切ですが、利益が上がらなくても頑張って経営を続けている小規模事業者が圧倒的多数です。そんな業者が大阪経済を支え、府民の生活や地域の安心安全を支えているのではないでしょうか。しかし、大阪府・市はずっと『上層育成、下層淘汰』という政策をとりつづけ、大阪経済の衰退を招いています。
そこで、小規模企業振興条例や「自治体連携型」持続化補助金を策定してほしいこと、東京や京都がおこなっている独自の小規模支援策を資料で示しながら「大阪でもこんな制度をつくってほしい。都市間競争と言いながら、なぜ小規模支援策では競争しないのか」と質問しました。しかし、まともな返答はなく、「予算がない」の一点張りでした。
反論として、「大阪府・市の商工関連予算(融資の預託金を除く)は、維新政治で年々削られ、一般会計のたった0.23%。東京の3分の1、京都の5分の1しかない。『予算がない』のではなく、実際は中小に予算をまわす気がないだけでしょ」と追及しました。
●災害支援もやる気なし
今年も全国各地で台風被害がひろがり、国は「一部損壊」も補助対象にすることを決定。これに対し、吉村知事は「昨年の大阪の被害では支援を受けられなかったのは不公平」と、国への要請を表明していました。
「いつ国に要請に行んですか」と質問すると、いまだ何もしていないことが判明。「それなら国を待たず、京都などにならって府独自で支援策を実施するべきでは」と質問。ところが「災害支援は国の制度が基本」とあまりにひどい回答でした。結局はマスコミにかっこいいことを言っただけで、実際は何もしない、被災者を支援する気などみじんもない姿勢が明らかとなりました。
参加者からもさまざまな意見が出されました。
「全国にひろがる住宅リフォーム・商店リニューアル助成制度を、経済政策として位置づけるべき」
「東大阪市のクリエーションコアは利用した業者には評判がいいが、府下的には全然知られていない。もっと活用してもらえるように宣伝を」
「小規模支援は会議所が担うというが、十分に機能していない。中小零細はどんどん廃業に追い込まれているが、そこへの支援は金をドブに捨てるようなものと考えているのでは。もっと底辺から引き上げる政策が必要」などなど。
維新政治になってから、中小企業予算はどんどん削られています。その一方で、カジノや万博に巨費をつぎ込み、一発逆転を狙う“バクチ”のような経済政策がとられています。これでは大阪の未来はありません。引きつづき「小規模業者への支援を」と求めていましょう!