大阪市が国保料を2%アップ?
2017.02.22
1月18日に吉村大阪市長が、国保料を来年度は2%引き上げることを表明しました。
吉村市長は引き上げの理由を、「受益と負担の適正化」を持ち出し、府内市町村なみの保険料水準にするため、としています。
本当に上げないといけないのでしょうか?
・重すぎる国保料の負担 ~高すぎて払えない~
大阪市の国保料は所得300万円、40代夫婦・子ども2人の世帯の場合、年間53万4千円に(2016年度)。
保険料が所得の約2割も占めています。
2015年度には加入世帯の21%にあたる9万6千世帯が滞納↓に。
「高すぎて払えない」というのが現状です。
それに追い打ちをかけるように、大阪市は徴収を強化。
滞納世帯への差押えが急増(↓2013年度1761件→2014年度4107件と2倍以上)しています。
そもそも大阪市の国保は、加入世帯数が約47万2千世帯と全国最多、
市民の約28%が加入しています(2014年度)。
加入世帯の平均所得は、府内平均や全国平均と比べても低くなっています↓。市民に貧困が広がっていることは明らかです。
・すでに維新市政5年で5%も引き上げ ~大型開発の代償に福祉削減~
橋下市長時代の2012年度からの5年間で、すでに5%も引き上げています。
また国保料を低く抑えるために市が独自に支出している任意繰入れについても5年連続で削減↓。3割近く削減されてしまいました。
このように市民福祉の予算を削る一方で、維新市政はこれまで、「都構想」の推進や、地下鉄・市バスの民営化などに多額の予算を投じてきました。
来年度も、地下鉄・市バスの民営化関連予算に25億円以上、万博・カジノに1億3500万円など、無意味な地下鉄・市バスの民営化、失敗が見えている大型開発のために税金と労力を費やそうとしています。
・国保料は下げられる
いまでも高い国保料は、どうすれば引き下げられるのでしょうか?
引き下げには、国や自治体が国保への支出を大幅に増やすことが必要です。
今まで削減し続けてきた法定外繰入れを2012年度以前の水準に戻し、カジノや万博などの浪費をなくせば、十分に可能です。
また、2015年度から国からの支援金34億円が毎年入るようになりました。
これを活用すれば、引き下げることは不可能ではありません。
民商では、高すぎる国保料についての相談活動だけでなく、引き下げ署名や議員への引き上げ反対の要請行動にも取り組んでいます。
「高すぎる国保料」の相談は民商へ。