2019.10.18
天王寺民商では9月に区内4カ所で「消費税対策学習会」を行い、地域の民商会員が集まって、8%10%の区分経理や申告について学習し、対策を交流しました。
9月18日の学習会には、居酒屋経営者のAさんなど5人が参加。Aさんは業歴50年の大ベテラン、夫婦で店を始めましたが、夫を亡くしてからは一人で店を切り盛りしています。鶴橋鮮魚市場で仕入れた魚でつくる刺身が人気で、「生ダコ食べにきたよ」などと来店してくれる常連さんの存在が励みです。
参加者で消費税10%への対応を交流した時、Aさんが「もう廃業せなアカンかも…」と漏らしました。
「どうしたの?」ときくと、「これまでも消費税増税や原材料高騰など大変だったけど、値段を据え置いて頑張ってきた。さすがに、仕入れ先がビールを50円値上げしたときは、値札を500円から550円に書きかえたけど、常連さんには『50円はいらんよ』と言って500円にまけてしまう。だから今でも赤字。消費税が10%になったら、お酒などの仕入れには10%かかる。でも、値上げはできひん」とAさん。
それを聞いた印刷業や建築金物小売りなど他の民商会員が「よう今まで頑張ってきたね」「消費税のせいで、ええ店が潰されていくのは悲しいわ」「安くておいしいAさんの料理を楽しみしているお客さんがいる。もう少し一緒にがんばろうよ」と励まし、その日はAさんも「もう少し考えてみる」と言って帰りました。
10月に入り、Aさんに様子を聞いてみると・・・、「常連さんもいるし、商売やめるのは寂しくて…。当面、値段据え置きで頑張ってみる!」とのことでした。
民商では、消費税10%で記帳や申告がどう変わるかの学習だけでなく、業者同士が集まり交流し、励まし合う場を大切にしています。しんどい時だからこそ、仲間の存在が力になります。民商で一緒に商売をつづけましょう。