2022.10.25
税務調査が続々と発生しています。
その中で、やり方が強引でひどかった事例を紹介します。
製造業を営むAさんは、「呼び出し」が届いたため、8月下旬に夫婦で連れ立って税務署へ。すると、担当の税務署員がAさんの妻の職場のことについて執拗に質問してきました。もちろん、Aさんの調査にはまったく関係のない話です。妻は税務署員から質問されたことで、「自分の職場にも税務調査が入るのだろうか」「自分のせいで職場に迷惑をかけてしまうことになるのか」と不安になり、その後体調を崩してしまいました。
また、Aさんは税務署員に言われて一旦、帳簿などの資料を提出しましたが、納得がいかなかったことから後日に税務署を再訪して資料を返してもらいました。ところが返ってきた資料を見ると「コピー済み」の印が押されていたためビックリ!提出の際には署員から「コピーする」とは聞かされておらず、当然了承もしていませんでした。
困ったAさんは知人から民商のことを聞き、藁にもすがる思いで相談に駆け込みました。そこで「いっしょに税務調査とたたかいましょう」と励まされて入会しています。
そもそもAさんが受けた「呼び出し」は、国税通則法が定める税務調査の「事前通知」の要件を満たしておらず、単なる「税務署からのお願い」でしかありません。
また、国税通則法では税務署員の「質問検査権」について「必要があるとき」「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と規定されており、納税者の承諾なしになんでもかんでも調べることはできません。過去の裁判でも「質問検査権の限界を超える調査は違法」と認定されています。Aさんの承諾を得ずに勝手に資料をコピーしたり、調査に関係のない妻に執拗に質問したのは、税務署員の職権乱用行為であり、プライバシーの侵害です。
民商では、こうした強引な税務調査とたたかうために、納税者の権利を学び、税務調査の経験を交流しています。
税務調査で困ったら民商へ