2023.10.06
私たち民商・大商連は、一貫して賭博であるカジノ解禁に反対してきました。大阪維新の会は、カジノという醜悪なものを覆い隠すために「万国博覧会」をその隠れ蓑として使い、推進しようとしてきました。しかし、ここにきて、万博自体も「開催できるのか」と言わざるを得ないほどの大きな問題…建設費の上振れ、海外パビリオンの建設遅れや「撤退」、解決困難な軟弱地盤、有害物質除去などを抱えていることが日々明らかになってきています。大阪市民、大阪府民にこれ以上の負担をかけないためにも、万博・カジノはすぐに中止すべきです。
第一に、カジノは賭博であり、違法であるということは変わっていません。「特別な法律」を作ったところで、「違法でなくなるという例外」(違法性阻却)にはなっていないことは明らかです。日本弁護士連合会は「カジノ解禁推進法案」が提案された時点から、「ギャンブル依存症の拡大」に加え、「経済効果への疑問」「暴力団対策上の問題」「多重債務問題再燃の危険性」などを指摘していました(2014年5月9日の日弁連声明)。これらの点は何ら解決を見ていません。
第二に、9月28日に国はカジノに関する「区域整備計画」を認定しました。しかし観光庁の有識者審査委員会(カジノの計画が適正かどうかを判定する国の委員会。なお審議内容は非公開であった)が指摘した依存症対策、地盤沈下・液状化対策、地元との双方向の対話などの「7つの条件」はクリアされていません。
第三に、「隠れ蓑」の役割を担うはずであった万博にも重大な問題が横たわっています。万博の建設費用が上振れに次ぐ上振れとなり当初の1250億円が1850億円、さらに2300億円に膨らむと報じられたことです。今後、いくら建設費が膨らかは全く不透明で、税金による負担が「底なし沼」になりかねません。しかもこれは、建設費だけの金額で、周辺道路の整備などを含めると1兆円を超えます。
9月30日(土)、10月1日(日)に行われた最新のJNNの世論調査では、万博の予算が予定より大幅に上昇していることに「納得ができない」と答えた人が61%に上り、「納得できる」の23%を大きく上回りました。また、万博への関心を聞いたところ「関心がある」が38%に対して、「関心がない」は65%でした。
第四に、夢洲という会場にかかわって、地下にあるとされる有害物質の問題、そこで働かされる建設労働者の労働安全の問題は棚上げです。南海トラフ地震による津波に対しては無策と言わざるを得ません。さらに2024年4月から始まる建設労働者の労働時間規制問題もあります。
クリアされていない違法状態、異常に低い会場賃料の設定、際限のない税金の負担、会場としての数々の難点…。問題点を挙げれば枚挙にいとまがありません。「二重行政の解消」を主張できなくなった大阪維新の会に残された看板である「カジノ推進」にもはや理はありません。