お店訪問で職人技術を間近で見学~黒毛和牛の一頭仕入れ~
2017.03.08
会員のお店を訪問して、商売のこだわりを聞きました。
今回訪れたのは泉佐野で親子3代続く精肉店です。ご夫婦と息子さん2人の4人で営業しています。牛は黒毛和牛(A4級)を一頭仕入れしています。
昔は一頭仕入れが一般的だったそうですが、今では減少し、精肉店や取り扱う卸屋も減っています。部位で仕入れると、真空パックで包装されてお店にとどくので、流通の際に肉汁が出てしまい、お店で加工するのとは色はもちろん味も変わってきます。
一頭の仕入れは加工に力も時間もかかり、お肉を一通りさばけるようになるまでは4~5年はかかるとのこと。牛の仕入れ値など上がっていますが、「お肉のレベルを下げるとお客さんもついてきてくれない」と妥協せず、こだわりを持っています。
お客さんからの厚い信頼で宣伝を行わなくても、口コミで遠くからもお客さんが来店します。最近も「孫が来て、ここのお肉を食べたら美味しくてよく遊びにきてくれるようになった」とお客さんから嬉しい話を聞きました。
午前は病院、学校の給食、障がい者施設などの配達も行い、地域の食を支えています。夕方までは精肉の加工など準備で忙しいので、夕方以降に揚げ物を販売しています。
この日は塊のお肉から手作業で骨をひとつひとつ外していく作業を見学、30年間使い続けている包丁を見せてもらうと刃が削れ細くなっているのを見て見学者はびっくり。職人の技を近くで見学しました。
お肉からとった骨は専門の業者にひきとってもらい処分します。
右手の包丁が30年使うと左手のように刃が削れ細く鋭くなります。どちらも使い分けています。
牛の後ろ足のもも肉の部位がつられていました。
山本精肉店
〒598-0091 大阪府泉南郡田尻町嘉祥寺735−2