2017.04.12
2018年4月から新国保制度が始まります。
これにより、今まで各市町村で管理してきた国保財政は
都道府県にまとめて移されることになります。
大阪府はこの改革に便乗して、保険料や減免基準などを
府内で統一化することを目指しています。
衝撃の試算結果
2月17日に大阪府は統一保険料率の試算を発表しました。
これをもとに、モデルケースで試算すると以下のとおりになります。
府内の平均で約4万9千円、値上がり幅がもっとも大きい千早赤坂村では約22万円もの引き上げに。
今でも、所得の16.5%が国保料に消えるという負担の重さです。(2015年度の府内平均)
そのため19.1%の世帯が、払いきれずに滞納してしまっています。
こんな状況で、さらに国保料が引き上げられれば、多くの人々が生活を破壊されます。
「統一化」に法的根拠なし
じつは、「府内統一化」には法的根拠はありません。
国保が都道府県化されても、保険料率の決定権は市町村にあります。
国会でも、厚労大臣が「一律の保険料水準を求める仕組みとはしていない」と答弁しています。
(2月9日 衆議院予算委員会)
全国的にも保険料の統一化を目指しているのは、大阪府を含め4府県とわずかです。
「府内統一化」では、国保料は大幅に上がり、減免制度は縮小、差押えも強化と、
加入者にメリットは一つもありません。
これでは、何のための統一化でしょう。
本来の国保とは
そもそもの国保の役割とはなんでしょう。
それは、憲法25条の
「文化的で最低限度の生活を営む権利」=生存権を保障するための
社会保障制度です。
国保法には、国保は「社会保障」を目的とすること(第1条)、
国に責任があること(第4条)が明記されています。
自営業者や農林漁業者などの収入が不安定な人でも、収入の少ない人でも、
「保険証1枚あればだれでも病院に行ける」ようにするのが本来の国保の目的です。
また、地方自治法では自治体の役割は「住民の福祉の増進」(第1条)と規定されており、
自治体も社会保障に対して責任を負っているのです。
今、大阪府がすべきなのは、「府内統一化」ではありません。
予算を投じて保険料の引き下げや減免制度を拡充したり、
国に対してもっと国保へ支出するように働きかけることではないでしょうか。
民商では、高すぎる国保料の相談をはじめ、
自治体や議会への要請行動、署名活動など
国保料の引き下げや改善の運動に取り組んでいます。
国保料の相談は民商へ