2019.02.16
大阪府に「自治体連携型・小規模事業者持続化補助金」に対応する制度をつくるよう2/14に申し入れ、懇談してきました。
この制度は、「地域の実情に応じた小規模企業政策に取り組むことを後押しするため」として、都道府県が小規模事業者向け支援事業を制度化・予算化した場合に、必要な費用の2分の1を国が補助するというもの。国の2019年度当初予算案に盛り込まれました(*1)。
ところが、大阪府はこれをスルーするつもりだとの情報をキャッチ。大阪府は小規模事業者をないがしろにするのか!制度をつくれ!ということで、申し入れに行った次第です。事前にアポを取り、咲洲府庁25Fの商工労働部へ。経営支援課の2人が対応してくれました。要望書を手渡し、趣旨説明と意見交換しました(写真参照)。
しかし、結論から言うと…「大阪府としては制度をつくる予定はない」「予算がない」とのことでした。
こちらからは、小規模業者の経営がいかに大変かという実情も伝えながら、そもそも大阪府は「小規模企業振興基本法」(各自治体は小規模企業むけ支援の「責務を有する」)を守らず、中小企業向け予算全体を大幅に削減してきたことを指摘(*2)。
その結果、大阪の事業所数、従業者数は全国平均を越えて減少し、しかも1~9人規模の割合がそれぞれ96.1%、58.6%と大部分をしめています。「大阪経済の悪化を食い止めるには、小規模事業者向け支援をちゃんとやることが必要ではないか」と訴えました。
また、近畿他府県の取り組み状況も伝えました。事前に聞き取りしたところ、京都府、兵庫県、滋賀県はすでに「自治体連携型持続化補助金」に対応する制度をつくっており、和歌山県も既存の制度を拡充させる予定とのことでした(*3)。
大阪府の担当職員に「府としても様々な施策に取り組んでいる」と説明されましたが、「では、小規模事業者への支援策は?」と聞くと、「商工会、商工会議所で取り組んでいる…」との回答。実態は、会議所等への予算は維新府政になってから大幅削減され、現場からは怒りの声が出ています。「大阪府としていろんな努力をしていることは知っています。でもその評価は、他府県との比較で見られますよ。京都も兵庫も予算をつけて施策に取り組んでいるのに、『大阪府は小さな業者なんか潰れたらいいと思っているんやろな』と見られますよ。逆に、小規模企業振興基本法を守って、少額でも制度をつくり予算をつければ、『府は業者を応援しているんや』というメッセージになるんです」と伝えました。ここのやり取りでは、大阪府職員も熱心にメモしてくれていました。
最後は、「立場は違っても大阪を良くしたいとの思いは同じ方向なので、協力できるところは協力して、お互い頑張っていきましょう」と(作り笑いで)終わりました。
現場の職員は真面目に頑張っています。でも、大阪府全体としては、カジノや万博にばかり巨額をつぎ込み、小規模業者・中小企業むけは「とにかく予算がない」の一点張り。維新による政治が大阪経済をどんどん悪くしている現状にぶつかり、「こんな政治を変えないとダメだ」とつくづく実感しました。
*1)小規模事業者持続化補助金
従業員5人以下(製造業等は20人以下)の小規模事業者が、経営計画をつくって売り方の工夫や商品改良、生産性向上などに取り組んだとき、その経費を一部補助してくれる制度(補助率3分の2)。2014年に「小規模企業振興基本法」が施行されたことに伴い、同年度の政府補正予算から実施。
*2)大阪府の中小企業向け予算 2007→18年度の推移
・ものづくり支援関連予算9億1600万円→2億3200万円(4分の1)
・商店街など小売商業関連予算7億0800万円→2900万円(96%減)
*3)近畿他府県の制度状況
京都府:中小企業総合応援事業費(中小企業知恵の経営ステップアップ事業費) http://asukyo.pref.kyoto.lg.jp/projects/1375
兵庫県:がんばる小規模事業者支援事業(販売促進ツール作成支援)補助金 https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/ganbaru.html
滋賀県:小規模事業者新事業スタートアップ支援補助金 http://www.pref.shiga.lg.jp/kakuka/f/chushoukigyo/sutaatoappu.html