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強引な税務調査が増えています

2023.10.12

今年夏以降、税務調査が次々と発生しています。国税庁がコロナ禍で調査できなかった分を取り返そうとしているからです。税務署が無理な調査を繰り返す中で、人権侵害につながるひどい事例も多数発生しています。そのうちの一つを紹介します。

 

9月初め、民商会員で飲食店を営むAさんの自宅に、税務署員2人が突然訪問し「税務調査をしたい」と告げました。Aさんは「仕事のダンドリや家族の介護もあるので、急には対応できない。調査の日程は後日調整させてほしい」と申し出たところ、署員は「毎週必ず電話すること」を条件に引き上げました。

 

それからAさんはすぐに民商へ相談に。調査に入る前に日時、場所、目的など11項目を知らせる事前通知が税務署員に義務付けられていることを知り、「まずは書面での事前通知を求めて、調査理由を明らかにさせよう」と決めました。その後、税務署に電話して「法律では調査の前に事前通知が必要だと決まっている。きちんと確認したいので、書面で通知を」と要望しました。担当の署員は「事前通知は最初にしている」と答えるだけでまともに取り合いませんでした。しかし、実際には11項目の説明はなく、「事前通知をした」というのはウソでした。

 

翌週、再び税務署に電話したAさんはあらためて書面による事前通知を求めました。すると、担当署員は「あなたの調査は事前通知をしなくていい案件になっている」と、驚くべき説明をしました。国税通則法では「無予告調査」はあくまでも例外規定であって、正当な理由なく事前通知を省略することは許されません

あまりの横暴ぶりに怒ったAさんは、その後、税務署に抗議しています。

 

国税庁はみずから「税務運営方針」(1976年制定)の中で「税務調査は納税者の理解と協力を得て行う」と定めています。納税者の権利を無視した横暴な調査はとても許されるものではありません。

 

民商は、人権を侵害するような横暴な税務調査をやめさせるとともに、国税庁や税務署に納税者の権利を守らせるための権利憲章の制定をもとめて運動しています。

 

税務調査の相談は民商へ。

 

国税通則法で税務調査の前に納税者に事前通知する項目が定められています。

法律では調査の前にこの11項目を事前通知しなければなりません。1つでも欠けると事前通知の要件を満たさず違法です。

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